ドキュメント「胃腸炎」

2007・4・1

20:00 出勤。この日、近隣店舗の期末棚卸作業のヘルプが朝までかかったため、イレギュラーな時間に出勤。さあ、ここからはいよいよ自店舗の資産を確定させなくては。本番開始のゴングである。
21:43 弟からの着信に気づき、電話を入れる。夕方、就職活動のついでに、私の店まで遊びに来てくれたらしい。また、今日は一社から内定をいただいたとのこと。おめでとう。あさってはオフなのでお祝いになにかご馳走すると約束し、電話を切る。この時点ではいたって健康。
22:10 突如として焼けるような激痛が私の腹部を襲う。熱も出てきた。身動きが取れない。滝のごとく流れ出る汗。この時点で締め作業は3割も終わっていない。
23:30 「だめなのね、もう。。。」もはや立っていることはおろか、座っていることすらままならない状態。事務所に新聞紙を敷き、横になっていた。ロッカーの上にて偶然発見した正露丸を飲む。飲んだ後で使用期限を確認したところ、3ヶ月前に切れていた。どうりで、少しベタベタしていた。しかし、わらにもすがりたかった私にとって、気休めとしての機能は十分に果たしてくれた。痛みが少し和らいだ気がした。気が、した。再びキーボードと対峙す。

2007・4・2

00:30 「薬買ってこようか?」「救急車呼んだほうがよいのでは?」と心配するバイトさんを、ここぞの力を振り絞り、返す。
00:35 トイレに駆け込む。大腸の内容物を純白の便器にぶちまける。しかし、便が肛門を通過する感覚がまるでない。軟便、、というより液便。これなら尿道から排泄してもなんら差し支えないのではなかろうかというくらいの。生涯一本グソ主義の私のプライドはズタズタである。
1:25 WCとPC間の往復を繰り返す。とうに肛門カツヤク筋は活動限界を超えていた。もはや出ているのか出ていないのかさえわからない。「アテント」の4文字が脳裏をよぎる。
3:?? 朦朧とする意識の中での作業。私の指先を司るのはもはや「気力(オーラパワー)」以外の何者でもない。こんなとき、人は科学では測定不可能な「神の力」を目の当たりにし、とても敬虔な気持ちになる。気!気!オーラパワー!戦う君は美しい。
7:40 作業の約8割を終えたところで、経験したことのない激痛。再び床にうずくまり、身悶えながら朝番バイトさんの出勤を待つ。 
9:00 朝番バイトさん出勤。後を任せ、病院に駆け込む。おなかのいろんなところを押された結果、「胃腸炎」と診断される。
11:00 薬を飲み、残りの締め作業を近隣の社員に引き継ぎ、自宅静養。

2007・4・3

23:00 目覚め。つまり、休日丸一日寝とおした。だいぶ楽になったが、腹部の違和感はぬぐえず。明日の出勤については未定である。食欲はないが、とりあえず何か食べよう。