仮面ライダー眼鏡

Sweet,Sweet Happy Birthday

Sweet,Sweet Happy Birthday

今でこそ眼鏡が似合うアーティストとして確固たる地位を築いたつじあやのさん。
しかし、今みたいにつじあやのさん自信が色んなオシャレ眼鏡を楽しめるようになるまでの道のりは平坦ではなかったはず。
むしろ学生時代は眼鏡にコンプレックスを抱いていたんではなかろうか?これがきっかけで好きな彼に思いを伝えることが出来ずに、毎年バレンタインデーが来ると、木陰で手作りのチョコを握り締めて他の女の子と下校する彼を見送ったりしていたのではなかろうか?
☆☆☆
「はぁ・・・また失敗。仕方ないよね・・・トシくん人気者だし・・・私なんか・・・はぁ」(ウクレレをつまびきながら)
「なんだよ〜相変わらずしょげてんな〜」
「はぁ、またあなたね、メガネイマジン・・・はぁぁ」
「ったく、俺の顔見る度に溜め息付くなって言ってるだろ!」
「だって・・・今日だってさ・・・」
「あーもー言うな、見てたから分かってるよ!何せ俺はお前のメガネだからな。」
「・・・ぁんたのせぃょ」
「・・・ナニ?」
「全部あんたのせいよ!」

「ふ、ふざけんな!お前の視力のせいだろうが!だいたいお前はいつもそうやって他人のせいにして・・」
「あーあ、ユッコもコンタクトにしたんだー。『新しいアタシ、デビュー!』とか言って浮かれてたな・・・」
「な、何が言いたいんだよ?」
「わたしも『デビュー』しようかって言ってるのよ」
「そ、そーかよ!す、す、好きにすりゃーいーだろうが!俺だって、お前みたいなネガティブ女は御免だぜ!」
「・・・」
「さあ、行けよ!メガネ屋!早く行っちまえよ!おおっと間違えたwコンタクト屋かぁ?しっかしあるのかねぇ、コンタクト屋なんてwwあるわけねぇよな、あんなデリカシー無いもの。だって、直だよ?人様の粘膜に直っ!あー怖いねぇ、怖いよ」
「・・・っ」
「・・・!?」
「・・・ぅっ」
「・・・な、何だよ、泣いてるのか?」
「っ・・泣ぃてなぃ・・・くっ」
「・・・泣く、こと、は」
「・・・ぇぐっ」
「・・・ごめん・・・言い過ぎたよ」
「・・・ひっく」
「俺、好きだったから、メガネかけたお前が・・・」
「・・・っ」
「いつも、お前の顔に、特等席に腰掛けて、同じ景色を見ながらウクレレを聴くのも、好きだったから・・・」
「ぁんたのかわりなんて・・・」
「えっ?」
「わたしにはあんたのかわりなんていないんだから〜あぁ゛〜ん」
「くっ、お前、こっちまで泣きたくなるだろうが、バカヤロウ!あぁ゛〜ん」
「ハ〜イ、湿っぽいのはそこまでそこまで〜」
「!?」
「な、何だお前は!?」
「アロハー、ワタシはウクレレイマジンあるよ〜!」
ウクレレ?」
「イマジン?」
「そうあるよ〜あなたの眼鏡、ウクレレ、素晴らしいね〜、キャラ立ってるね〜」
「・・・わたしが?」
「・・・俺が?」
「そうあるよ〜。あなたはコンタクトデビューなどしてる暇は無いあるよ〜。ミュージシャンとしてデビューするあるよ〜。今すぐオーディションを受けるあるね〜、a*koなんか目じゃないね〜、」
「え?わたしが・・・ミュージシャンに?」
「そうか、眼鏡のウクレレ弾き・・・新しい!確かにa*koなんか目じゃねえ!これだ、これしかねえ!」
「さあ、三人でスターダムに駆け上がるあるよ〜」

☆☆☆
このように、妄想(夢)を掻き立ててくれる、そしてその究極に自分勝手な夢を投影するキャンバスになってくれる有難い有難い女性のことを人は「アイドル」と呼ぶのです。
初めて彼女を見たとき、最初に与えられるのは「眼鏡」と「ウクレレ」という最小限の情報のみ。さらにメディア露出も少ないので、その限りなくまっさらに近いキャンバスに未熟な男子の妄想が介入する可能性は無限大!
アイドルらしいアイドルが不在の現代において、彼女こそが本当のアイドルと呼べる存在なのかも知れません。