ギャオス

先ほど購入したコミックLOをリュックにしまいつつ、本屋を後にしようとしたときだった。それは雨空を切り裂くような音だった。
「うぎゃうっ!」
巨大怪鳥襲来か!いや、これは多分、人の、女性の声だ。突然の女性の叫び声に、俺は思わずビクッとなってしまった。その瞬間を、俺がLOを買うときには何故かいつもいるレジのお姉さんに見られてしまった。今更ながら恥ずかしかった。
まるで繁殖期のマントヒヒのようでもあった奇声で俺に恥をかかせたやつの顔を一目見てやろうと、声のした方に目をやると、居酒屋の前で酔っ払った大学生のグループがたむろしていた。
新歓かなんかだろうか。一人の男子が、奇声の主っぽい女子の携帯を取り上げ、何やら勝手に操作をしているようだった。
「ぎゃーちょーとかーえーし−てー」
「ちょいいじゃんいいじゃん、ちょ」
「ギョエーやだー、この頃若干太ってるし!」
「別に太ってないし!結構かわいいし!」
「・・・もーギェー!」
「つうかお前若干声でかいし!若干声でかいし!」
何だ、写メを勝手に見られて騒いでいたのか。
しかし「若干声でかい」っておかしくないか?
「若干太ってる」ってのも、「太ってる」って言い切らない辺りに図々しさを感じる。
・・・
LO読も。

ゆるゆる (ヤングキングコミックス)

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