因縁の対決(vs Nかむら君)

瞬間、コールを受けたデカベースから超微粒子状に分解された形状記憶宇宙金属デカメタルが転送され、私の体で定着し、変身完了。すみやかにジャッジメントモードへと移行した。
NかむらFとし・・・
秘密漏洩、公然わいせつ、飯島愛貸し渋り、友人のネタの無断使用、地黒、他1083件の罪でジャッジメント
目黒区を中心に、今や全国に散見される被害者の思いを双肩に受けながら、わたしは宇宙最高裁判所の判決を待った。
また、わたしは個人的にも、すなわちバラエティ番組のキャスティング的観点からも、彼をデリートしたかった。
「デブは一人で良い、、、」
そう吐き捨てた刹那、受信した判決は
「◎(デリート不許可)」
なぜだ!
わたしはSPライセンスの誤作動を疑った。
しかし、街灯に照らし出された彼の右手を見た瞬間、わたしはすべてが理解できた。
わたしに向けてひとさし指となか指の間から親指を出すあの恥ずかしいサインを出していたかに見えた彼の右手は、実はわたしに握手を求めていたのだ。
これはいけるかもしれない。
二人の間にそびえ立つ冷たい壁を、きょうは打ち砕くことができるかもしれない。
わたしは一抹の期待を胸に、彼を近所の「笑笑」に案内した。