Catch the sun!

金曜日。土曜は久々に中野でも行こうかと思ってた金曜日。帰りに豪華なラーメンでも食って帰ろうかと思ってた金曜日。給料日のはずだった金曜日。
昼休憩時間。昼食を食べ終えた私は、明日から始まる休日に思いを馳せながら、渡り廊下でタバコを吸っていた。
しかし、突然の雨音と共に現われた経理のおばちゃんが発した一言は、私のワクワク週末プランを一瞬で粉砕してしまうほど破壊力抜群で、さらに、とうの昔にさび付いてたはずの私の『殺る気スイッチ』を一気に振り切らせてしまうほど潤滑効果もてき面だった。
「ねー(↑)今みんなのお給料振り込みに行ってきたんだけど、あなたのだけ、どういうわけか戻ってきちゃうのよ。。。あっ、あらやぁだ、これ見て(振り込み依頼書みたいなのを見せながら)私が出したの、聖蹟桜ヶ丘の「蹟」が「積」になってたわ!いやぁだ〜私ったらぁごめんねぇ〜。今日はもう窓口閉まってるから、あなただけ振込み月曜、、いや、火曜になっちゃうかもぉ。全く、銀行さんもこれくらい読んでよって感じよね〜ブツブツ」
きわめてシンプルなミスの原因に気付き自己解決、さらに自分のミスを棚に上げるおばちゃん。次第にテーマが銀行の殿様商売批判にシフトしていく頃にはもう、おばちゃんの声は私の耳に届いていなかった。
気が付くとクライマックスシーンの二代目バルイーグルよろしく、収納式の雨よけを出したりしまったりする用の鉄製の棒を握り締めていた私。
「必殺、飛羽返し(屁婆返し)・・・」
雨は激しさを増していた。
「え?」
休み無く言い訳を繰り出し続けるおばちゃんも、私が全身に纏う不穏な空気に、さすがに我に返った様子で聞き返してくる。幸い、泣く子も黙るほど二代目バルイーグルに似ていた私の声は、雨音が掻き消してくれたようだった。
「なーんちゃって(ペロッ)いやいや、いいんですよ。いいんですよ。。。」
仏過ぎな私。
というわけで、社内で私の給料だけ週明けの振込みになってしまいました。書いてたらまたむかむかしてきたよ。何であんなおばちゃんごときに貴重な週末二日間を沈んだ気分にさせられなくてはならないのだ。現金でよこせよブチブチ。