失意

月末棚卸のカウントを終えた私は、一目散に店舗を飛び出した。
駆け込んだ駅のホームはすでに西日が差していた。
「開かずの踏み切り」で有名なほど、普段は発着数の多い某私鉄の待ち時間すらいつもより長く感じられる。
あのとき飲み干した缶飲料がコーヒーだったかお茶だったか、はたまた炭酸だったか。今ではまったく思い出せない。

あせっていた。

新宿に到着したのが午後16時半。
心当たりをしらみつぶしに探した。

「完売しました。」

どの店先にも「完売」の二文字が踊る。
わずか20分あまりの間に、5店舗ほどは回っただろうか。

これまでか。。。

失意の中、最後に寄ったとらのあなで結城心一の新刊を購入した。

ひめなカメナ (2) (IDコミックス REXコミックス)